このたび弊社・合同会社つむぎては株式会社マゼンダ(愛知県長久手市)と正式に業務提携をさせていただくことになりましたので、ここでご報告申し上げます。

弊社と株式会社マゼンダさんは、「心や体が健康で健全に活動できる場や行動」という目標に共感し合っております。農と福祉の自然な関係性を目指し「共に出来ることを、出来ることから」という想いの元、お互いの自立性を維持しながら、協力体制をゆるやかに進めておりました。

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株式会社マゼンダさんは、設立時より、長久手の里山を残すこと、そして、役割と居場所を兼ね備え、適材適所の職域を開発していくプロジェクト「マゼンダ・プロジェクト」を提唱なさっています。

【株式会社マゼンダについて】
http://www.momochidori.jp/publics/index/24/

私たちは、自然の摂理を超えてしまわない耕作放棄地の活用から見出すこと、そこで生まれる人と人としての関わりに共通項を感じております。

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今回の提携にあたりましては、耕作放棄地活用に対する共同推進等の施策を通じ、マゼンダ・プロジェクトへのなおいっそうの協力関係構築を目指します。

そして、業務提携のご報告に重ねまして、先日2月18日に合同会社つむぎてが三期目に入りましたので、節目として、今の想いを書かせていただきます。

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(以降、少し、文体は崩しますね)

私たちは、現在の活動を始めるまでは、手しごとも、昔ながらの知恵も、縁遠いまま現代を生きてきました。農家出身でもなく、なんの後ろ盾も、手に技もない素人の状態から、自然の摂理に極力反しない生き方を探して、言葉の通り手探りで進む。無謀でしかないスタートでした。

それでも、それを分かっていても、理屈では説明できない、衝き動かされる想いがありました。今、ここに生きてるのに、何故か感じる違和感。この違和感はなんだろう?って。

分からない、知らない。だったら先ずは知ろう。知ったら、小さなことからでも実行しよう。不可能と感じても、非効率でも、遠回りでも、先ずはやってみること。失敗、成功、どう捉えるかは自分次第。

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とはいえ、自然の摂理を超えてしまわないように向き合いたいという理想と、経済目線で考えないと生きていくのが難しい現実の狭間はとても厳しいものです。

色々と忙しい現代だから、待ってられない。時間も、心のゆとりも持ちにくいほど、忙しい。
情報が溢れ手軽に得られるようになった分、見極める力を持たないといけないのに、現代はとてもスピードが速くて、本質に向き合ったり考えたりする時間も無い。ただ情報を得るだけで思考が止まってしまう。スピードに追いつくために、困難なことは飛ばせるような利便性を求めてしまう。

そんなスピード社会の中で、ゆっくり、少しずつ進むことは、継続するための体力も気力もいります。

それを痛感し続けて、その狭間でへろんへろんになりながらも、私は、「自分の手でつくる」という困難の楽しさ、「答えなど出せない偉大な自然の尊さ」に魅了され続けました。

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この数年間、様々な農家さんの元へ訪ねさせていただいていた時、とある方がこうおっしゃいました。
「今の農業は孤独だ。機械がありゃ人はいらん。」

お話をお伺いした当時、その方は88歳。農業一筋の人生。規模は縮小すれど現役で生業としていらっしゃる方です。お若い頃、国からの要請で農を学ぶためプロペラ機でアメリカへ渡った方。
心に残るお話をたくさん教えていただきましたが、
ふとした時にぽつりとおっしゃったそのワンフレーズが頭から離れませんでした。

人の命となる食。その食を担う素晴らしい「生業」なのに孤独?
違和感をとても感じました。

目標に辿り着くまでに、長い長い道程があることは、分かりきっていて。
それを超えるまでの体力と気力が必要で。

深いことを考えると、どんどん言葉溢れてしまいますが、、、

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私は、もし自分の周りの環境が人のコントロールありきの自然だけになったとしたら、って想像したら、ものすごく生き苦しいと思ったんです。

自然に対して、人の都合ばかりが大きくなりすぎてるように感じて、違和感を感じるんです。栽培を通じて、自然そのものが厳しいということも痛感しつつも、それでも、その違和感が拭えない。

この違和感って、人と人との関係性にも共通項を感じるんです。片方の都合ばかりが大きくなりすぎてたとしたら、関係性のバランスって崩れやすくて違和感を感じると思う。そして、人のコントロールありきの人間関係なんかは、想像するだけでなんだか怖くないですか?

自然が教えてくれることは、とても、深く広く尊いです。そして本質は、すごくシンプル。
自然は、恵みを与えてくれます。私たちは、何かを与えられてるんだろうか?

人の都合ばかりが大きくなりすぎると、それは人へ返ってくる。
今ある環境は人々の日々の積み重ね。環境は、勝手にそこに在るものではないし、誰か特定の人たちだけがつくってるものじゃない。日々の生活、日々の選択が、自分の周りの環境をつくってる。

つくるくらし。まだまだ出来ないことばかり、分からないことばかりだから、私たちもみなさんと一緒に学び合い、続けていくこと。

出来ること、出来ないことは、また別の話。私たちも常に悩んでます。他人事ではなく、一緒に悩もう。情報だけじゃなくて。考えを妄想で終わらせず、実現するのは、悩みながら実行し進むことかなと思います。

学ぶ姿勢と知る姿勢は基本として大切ですが、知らないからこそ出来る強みもあると思う。

今って、情報を詰め込みすぎ、与えすぎ、と感じます。少しでも、一瞬でも良い、実体験して、見極める力を。

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魅力を感じる農ってなんだろう?自然って?
私は、不揃いな野菜たちに色気すら感じるのです。生きる力を感じる。
自然にそって向き合う畑と出会い、視野が広がったことで、
今までで一番人間らしい生活を経験しているなぁと感じます。

地味で大変な作業の繰り返し、けれどいつ何があってもいいと感じるくらいの充実感。
植物たちの力強さ、陽の光の美しさ、雨を恵みと感じられること。

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人のために使われてきた農地。活用されてきたはずのその場所が耕作放棄地となるには様々な理由があります。色んな理由で人の手が入らなくなってしまったその放棄地に入ると、なんだか、その場の空気が喜ぶんです。ほんと、一度体感してみてほしい!
あの気持ち良さ、心地良さを様々な方々と一緒に体感出来たら。

困難の先にある、喜びを。
ともに知ること、学んでいくことに、もし価値を感じていただけるなら。

遠回りだけど、思い続けたこと、言い続けたことは確実に現実になっていく。
それをひとつずつ、周りの方々の支えとともに、私たちなりに実現させていただけてることが、私たちの「継続する力」への源となっています。

未熟者ですが、今期もどうぞよろしくお願いいたします!!
心からの感謝とともに。

合同会社つむぎて一同