8月5日 発酵の日。まるや八丁味噌さん、角谷文治郎商店 三州三河みりんさんへ伺い、小伴天はなれ一灯さんにてお昼ご飯。

そして午後からは清酒 白老 醸造元・澤田酒造さんへ。

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澤田酒造さんは幕末に創業。

明治時代には蔵内に醸造試験所があり、お酒の腐造を防ぐ画期的な乳酸添加による酒母造り方法を開発。速醸酛の礎となったそうです。

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仕込水を飲ませていただきました。
「この井戸水は古場の東2kmの新水谷にある元井戸から湧水を独自に引いたものです。
江戸時代から竹桶式は桧の桶を用いて、切れることなく流れ続けて来ました。
水質は、淡麗な軟水です」 と書いてありました。
江戸時代から自家水道を引き続けているって凄い!

発酵に大きな影響を及ぼすことから、酒造りにおいてお水はとても重要。けれど知多半島は雨が少なく、昔から水には大変苦労している地域なのだそうです。

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和釜。この大きな和釜でお湯を沸かし、上に巨大な木の甑を乗せお米を蒸します。
澤田酒造さんが使用する酒米は、常滑の自社田で育てられた酒米「若水」
種籾の消毒だけ実行、田植え後は一切消毒を控え、肥料も控えめにして栽培なさっているそうです。

 

蒸し米の掘取り作業は、一人だけが甑に入り掘りだすと聞いてビックリ!
熱いお米を大きな甑の中から掘りだす作業。聞いているだけでも大変な作業なのに、一人だけが入るのですか?みんなでやらないのですか?とお伺いしたら、
「足元のお米は餅状になってしまうから、数人入ったらそれだけお米が無駄になってしまうんです。」と教えてくださいました。

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たくさんの麹蓋。この麹蓋で少量ずつ作った麹は、麹菌の深い破精込みが可能なのだそうです。夜間の作業や、完全な洗浄が必須なので大変な手間がかかる手法。
全種類のお酒に麹蓋を用いているのは、愛知県内で澤田酒造さんだけだそうです。

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麹室の前に杜氏さんのお写真が。
ご案内くださった澤田さんが、そのお写真を見ながら「日本中で一番優しい杜氏さんなんです」ととても自然におっしゃいました。
優しさがお酒に現れるんです。と、穏やかにお話ししてくださる澤田さんの笑顔も、とても優しく感じました。

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穏やかで優しい、静かな蔵内。

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ちょうど、梅酒がまもなく仕上がるところと教えていただきました。香りをかがせてくださって。とっても良い香り!!

江戸時代の書物・本朝食鑑にあるレシピで造っているという澤田酒造さんの梅酒。
地元知多産の梅をワラ灰の水に一晩漬け込みアクを抜く。
国産甜菜糖の、自然結晶の大粒氷砂糖を使用しているそうです。
今仕込中の梅酒は少し特別な梅酒とのことで、残念ながらまだ販売前でした。うぅー、飲んでみたい!!

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去年から最新の搾り機を導入され新しい技術も取り入れながらも、昔から良いと言われた事や道具を守り伝える澤田酒造さん。

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素晴らしい醸しものを生み出される方々は、やはりどこか共通点があるように感じます。

穏やかで快活で、芯がまっすぐに真面目で、それでいて優しくて柔軟。

澤田さん、貴重な時をありがとうございました!!

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感動の連続だった8月5日。

次記事、「8月5日 発酵の日 南蔵商店さん」へ続きます。

(photo by koji kato) ※ピンボケとか、アングルがよろしくない写真は私のiPad撮影です。

★8月5日 発酵の日。
【第1話 】まるや八丁味噌さんの記事はこちら→ http://nature-to-life.house/archives/3808
【第2話】角谷文治郎商店 三州三河みりんさんの記事はこちら→ http://nature-to-life.house/archives/3810